大阪 (梅田 京橋 中之島)を中心に活動している、tsunagu training代表パーソナルトレーナーの中島匡晶です。
「体を整えて鍛える」ことを得意としており、運動が初めての方や不安のある方にもわかりやすく丁寧にサポートしています。
「もう立ち直れないかもしれない」「頑張らなきゃと思うのに、体も心も動かない」
そんな思いを抱えたことはありませんか?
僕自身、かつて外に出ることが難しくなった時期が2年ほどありました。
心も体も疲れきって、「このままじゃまずい」とわかっていても、何をすればいいのか分からなかった。
そんな中、ほんの少し体を動かしたことで、気持ちに変化が生まれました。
「また歩いてみようかな」「もう一歩いけるかも」
小さな体の変化が、心の回復につながっていったのです。今回のブログでは、僕自身の経験も交えながら、
「レジリエンス」という言葉についてシリーズ化してお送りします。
レジリエンスとは、簡単に言えば「心が立ち直る力」。英語の”resilience”には、「弾力」「跳ね返る力」という意味があります。アメリカ心理学会は、これを「逆境、トラウマ、悲劇、脅威、重大なストレスから回復し、適応していく力」と定義しています。たとえば、仕事や人間関係で大きなストレスを受けたとき。一時的に気分が沈んでも、少しずつ日常を取り戻していく力こそが、レジリエンスです。
レジリエンスは、決して「折れない強い心」ではありません。
むしろ、折れてもまた立ち上がる「しなやかさ」です。
人間である以上、ストレスや落ち込みを感じない人はいません。
重要なのは、「どう向き合い、どう回復していくか」。
僕がかつて動けなかったとき、最初にやったのは、ほんの数分の散歩でした。
最初の一歩を踏み出せたとき、体と心はまだまだ調和できておらずとてもしんどい思いをしましたが、帰った頃には心のどこかが少し軽くなっていたのを覚えています。
レジリエンスの話をさらに深めると、「PTG(Post-Traumatic Growth)」という考え方にもつながります。
これは、「トラウマ的な出来事をきっかけに、以前よりも強く、賢くなる」心の成長のこと。
たとえば、病気を経験した人が、その後の人生に新たな意味を見つける。
深い悲しみを乗り越えた人が、人の痛みに寄り添う力を持つようになる。
そんな変化が、実際にたくさん報告されています。
僕自身も、動けなかったあの2年間があったからこそ、今こうして、誰かの“もう一歩”を支えるトレーナーになれたと思っています。
そして何より大事なのは、レジリエンスは生まれつきの才能ではないということ。
人とのつながり、日々の小さな成功体験、そして「体を動かす習慣」「一歩行動してみる」
こういったものの積み重ねによって、レジリエンスは少しずつ育っていきます。
運動もそのひとつ。筋肉を鍛えることは、同時に“心の土台”を整えることでもあるのです。
レジリエンスとは、「傷つかない心」ではなく、「傷ついても、また立ち上がる力」。
そしてそれは、誰にでも備わっていて、育てていける力です。
次回は、「なぜ運動がレジリエンスを育てるのか?」について、
科学的な側面も交えながらお届けします。
誰かの「また、少しだけ頑張ってみようかな」という気持ちにつながれば嬉しいです。
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