2025/07/06

レジリエンスと運動① tsunagutraining 中島匡晶

大阪 (梅田 京橋 中之島)を中心に活動している、tsunagu training代表パーソナルトレーナーの中島匡晶です。

「体を整えて鍛える」ことを得意としており、運動が初めての方や不安のある方にもわかりやすく丁寧にサポートしています。

 

レジリエンスを高める鍵は“運動”だった

心と体を守る力のつくり方【第1部:理論編】

「ストレスに強くなりたい」すべての人へ

「ストレスにすぐやられてしまう」

「ちょっとしたことで気持ちが沈む」

「何かトラブルがあると引きずってしまう」──

そんな悩みを抱える方に、ヒントを与えるかもしれないキーワードがレジリエンス(Resilience)です。

レジリエンスとは、困難な状況やストレスから立ち直る“回復力”や“しなやかさ”のこと。

心理学や教育、医療の分野ではこの力の重要性がますます強調されています。

 

実は「運動」がレジリエンスを高める

レジリエンスというと、性格や生い立ちなど「変えられないもの」と思いがちですが、

実は“運動”によって後天的に高めることができるという研究が数多く出ています。

『運動とレジリエンス』という書籍では、

運動を継続していた兵士が極限状態でも心を保ち続けられた事例や、

長期的にメンタルの安定を維持できたというエピソードが紹介されています。

さらに、日常的なストレスや不安に悩む人たちにも、運動が有効であることが科学的に示されているのです。

 

運動によって得られる“心の変化”

以下は、定期的な運動がもたらす主な効果です:

  • ストレスホルモン(コルチゾール)の抑制
  • 気分の改善(セロトニンやドーパミンの分泌)
  • 睡眠の質の向上
  • 自己効力感(自分はできるという感覚)の向上
  • 感情のコントロールがしやすくなる
  • 不安症状やパニック障害の軽減

📖引用:「運動の継続によって命が救われた」──ある兵士の体験談より(183ページ)

 

病気の予防にもつながるレジリエンストレーニング

運動の効果は精神面だけにとどまりません。

慢性疾患や生活習慣病の予防にもつながり、心と体の健康を総合的に支えることができます。

以下は、運動によりリスクが下がる代表的な疾患です:

  • 高血圧
  • 糖尿病(Ⅱ型)
  • 心疾患
  • がん
  • 認知症
  • うつ病
  • パニック障害

さらに、炎症反応の指標となるCRP(C反応性タンパク)も平均で30%減少したという報告もあり、

これは身体の中の“回復力”が上がっている状態とも言えます。

 

脳を鍛える運動の力|BDNFの役割

運動が「脳の回復力」にも関わっているのをご存じですか?

運動をすると、BDNF(脳由来神経栄養因子)という物質が増加します。

BDNFは神経の成長や再生を促し、以下のような良い影響をもたらします:

  • 記憶力や集中力の向上
  • 海馬(記憶・感情を司る脳部位)の保護
  • 感情のコントロール能力の向上
  • 認知機能の維持・向上

つまり、運動は“脳を育てる習慣”でもあるのです。

なぜ現代人に運動が必要なのか?

人間の体は、何万年ものあいだ「動くこと」を前提に進化してきました。

しかし現代では、座りっぱなし・スマホ漬け・運動不足──と、動かない生活が当たり前になっています。

その結果、体だけでなく心まで鈍くなってしまう。

だからこそ、今を生きる私たちにとって「運動すること」は、

体を鍛えるだけでなく“心をメンテナンスする”ための最もシンプルで確実な方法なのです。

次回【第2部】では…

  • 運動がストレスホルモンに与える影響
  • 神経伝達物質NPYや脳のストレス耐性
  • ストレスに強い人が持っている“身体の秘密”とは?

など、もう一歩深く、運動と脳・ストレスのつながりについて掘り下げていきます。

どうぞお楽しみに!

 

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